札幌の地下鉄を利用する際に気になるのが運賃(料金)についてです。札幌の地下鉄運賃は、乗車する区間(距離)によって料金が変わる「区間制」を採用しています。ここでは、札幌地下鉄の運賃の仕組み、様々な支払い方法、運賃の調べ方、そしてお得な乗り方まで、利用者の視点に立って詳細に解説します。
札幌地下鉄の運賃体系:区間制について
札幌地下鉄の運賃は、お客様が乗車される駅から降車される駅までの営業キロ程に基づいて計算されます。この営業キロ程によっていくつかの運賃区間(ゾーン)に分かれており、区間が長くなるほど運賃が高くなります。
- 初乗り運賃:最も短い区間の料金です。
- 段階的な値上がり:利用距離が増えるにつれて、運賃が段階的に上がっていきます。駅構内の運賃表や路線図には、各駅までの運賃が分かりやすく表示されています。
札幌地下鉄の基本的な運賃(普通運賃)
地下鉄に乗車する際の基本的な運賃は、大人運賃と小児運賃に分かれています。
大人普通運賃
大人の普通運賃は以下のようになっています(2024年現在の情報に基づきますが、運賃改定の可能性もあるため、ご利用前に最新情報をご確認ください)。
- 1区(初乗り):大人 210円
- 2区:大人 250円
- 3区:大人 290円
- 4区:大人 330円
- 5区:大人 360円
札幌市内のほとんどの区間は、このいずれかの運賃体系に収まります。ご自身の乗車区間が何区になるかを確認するには、駅の運賃表を参照するのが最も確実です。
小児運賃
小児(6歳以上12歳未満、ただし12歳でも小学生は小児)の運賃は、大人の普通運賃の半額です。計算の結果10円未満の端数が出た場合は、10円単位に切り上げられます。例えば、大人運賃が210円の区間であれば、小児運賃は110円となります。
※幼児(1歳以上6歳未満)は、大人または小児1人に同伴される場合2人まで無料です。3人目からは小児運賃が必要です。乳児(1歳未満)は無料です。
札幌地下鉄の支払い方法
札幌地下鉄に乗車するための支払い方法はいくつかあります。利用頻度や滞在期間に合わせて選びましょう。
1. 紙の乗車券を購入する
最も基本的な方法です。各駅に設置されている券売機で購入できます。
券売機での購入方法
- まず、改札付近や券売機の上にある大きな運賃表を見て、目的地までの運賃を確認します。
- 券売機の画面で、先ほど確認した運賃のボタンを押します。(例: 250円区間なら「250円」ボタン)
- 投入口にお金(現金:硬貨または紙幣)を入れます。
- 乗車券とお釣りが出てきますので、忘れずに受け取ります。
- 購入した乗車券を自動改札機に投入して入場します。降車駅では、改札機に乗車券を入れると回収されます。
※小児乗車券を購入する場合は、「こども」ボタンを押してから運賃を選択します。
2. ICカードで支払う(SAPICA、Kitaca、Suicaなど)
ICカードは、乗車券を購入する手間が省け、スムーズに乗り降りできる便利な方法です。札幌圏では地域独自のICカード「SAPICA」が広く利用されていますが、全国相互利用に対応しているKitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、nimoca、はやかけんといった各種ICカードも札幌地下鉄で利用可能です。
ICカードの利点
- 券売機で毎回切符を買う必要がない。
- 改札機にタッチするだけで通過できる。
- チャージ(入金)しておけば、残高がある限り繰り返し使える。
- SAPICAの場合、利用金額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントを運賃に充当できるサービスがある。
- SAPICAまたは全国相互利用ICカードを利用して、札幌市営地下鉄と路線バス・市電を90分以内に乗り継ぐと、乗継割引が適用される。
利用方法
- 改札機に設置されたカードリーダー部にICカードをしっかりタッチします。「ピッ」という音がして運賃が表示され、改札を通過できます(乗車時)。
- 降車駅の改札機でも、乗車時と同様にICカードをカードリーダー部にタッチします。自動的に運賃が計算され、カード残高から差し引かれます(降車時)。
チャージ方法
ICカードの残高が少なくなったらチャージが必要です。
- 駅の券売機(ICカード対応のもの)
- 駅の窓口
- 地下鉄駅構内や市内のコンビニエンスストアなど
※SAPICAの場合は、SAPICA対応券売機やコンビニなどでチャージできます。その他の全国相互利用ICカードは、各カードに対応したチャージ機やコンビニなどでチャージ可能です。
3. 一日乗車券・ドニチカキップ
札幌市営地下鉄を一日中何度も乗り降りする場合や、特定の曜日に利用する場合にお得なきっぷです。
種類と料金(2024年現在)
- 一日乗車券:大人 830円、小児 420円。地下鉄全線を一日中乗り降り自由。毎日利用できます。
- ドニチカキップ:大人 520円、小児 260円。土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)に地下鉄全線が一日乗り降り自由になります。
どんな時にお得か
普通運賃と比較して、どれくらい乗ればお得になるかの目安です。
例えば、大人運賃が210円または250円の区間を往復する場合、単純往復だと420円~500円です。これに加えてもう1区間(往復で420円~500円)乗ると、合計で840円~1000円になります。つまり、一日乗車券(830円)は、大人運賃で3回以上乗車したり、複数回乗り換えたりする場合に元が取れる可能性が高いです。
ドニチカキップ(520円)は、大人運賃が260円以上の区間を往復するだけでも元が取れる計算になります(260円×2 = 520円)。週末や祝日に地下鉄を利用する場合は、非常に便利でお得です。
観光で札幌を訪れる方や、市内を広範囲に移動する予定のある方は、一日乗車券やドニチカキップの利用を検討しましょう。
利用方法
一日乗車券・ドニチカキップを自動改札機に投入(またはタッチ)して利用します。初回利用時に乗車日が印字されます。
目的地までの運賃の調べ方
乗車前に目的地までの正確な運賃を知りたい場合は、以下の方法で調べられます。
- 駅構内の運賃表:最も一般的で分かりやすい方法です。現在いる駅から各駅までの運賃が一覧になっています。路線図と併せて確認しましょう。
- 券売機の運賃検索機能:一部の新しい券売機には、路線図から目的地を選択して運賃を調べられる機能があります。
- 札幌市交通局のウェブサイト:公式サイトの「地下鉄」関連ページに、運賃に関する情報や路線図が掲載されています。スマートフォンなどで事前に確認できます。
乗り越し精算について
券売機で買った乗車券の区間よりも遠くまで乗ってしまった場合は、「乗り越し」となります。降車駅で乗り越し運賃を精算する必要があります。
精算方法
- 降車駅の改札付近にある「精算機」を探します。
- 精算機に乗車券を入れます。
- 画面に不足している運賃(追加で支払うべき金額)が表示されます。
- 表示された金額を現金で精算機に投入します。
- 精算済みの乗車券(または精算券)が出てきますので、それを使って改札機を出ます。
ICカードで乗車した場合は、残高があれば自動的に正しい運賃が差し引かれるため、基本的に乗り越し精算の手間はありません。ただし、残高が不足している場合は、改札機でエラーになるため、その場でチャージするか精算機で不足分を支払う必要があります。
他の交通機関への乗り継ぎ割引
前述の通り、SAPICAまたは全国相互利用可能なICカードを使用して、札幌市営地下鉄と指定の路線バスまたは市電を90分以内に乗り継ぐ場合、乗継割引が適用されます。これにより、地下鉄とバス/市電を組み合わせて利用する際の運賃負担を軽減できます。割引額は大人80円、小児40円です。
自分に合った乗り方を選ぶには?
札幌地下鉄の料金体系と支払い方法を理解した上で、ご自身の利用目的に合わせて最適な方法を選びましょう。
一度きりの利用や短距離の移動:紙の乗車券、またはICカード
札幌によく来る、または複数の交通機関を乗り継ぐ:ICカード(SAPICAが特におすすめ、全国相互利用カードも便利)
週末や祝日に地下鉄で市内を広範囲に移動:ドニチカキップ
平日を含め、地下鉄で一日中あちこち移動:一日乗車券
これらの情報を参考に、札幌での地下鉄利用を快適にお楽しみください。運賃や運行に関する最新情報は、札幌市交通局の公式サイトで確認することをお勧めします。