本人限定受取郵便とは? なぜ「本人限定」の料金がかかるのか

「本人限定受取郵便」は、郵便物に記載された名あて人ご本人様以外の方には、たとえ同居のご家族であっても絶対にお渡ししないという、極めて厳格な条件で配達される郵便サービスです。

インターネットでの申し込みや、重要書類の送付、キャッシュカードやクレジットカード、証券、公的機関からの通知など、その内容が非常に重要であったり、プライバシーに関わるものであったりする場合に利用されます。

このサービスが「本人限定」であるゆえに発生する特別な料金、それが「本人限定受取郵便料金」です。通常の郵便配達や書留とは異なり、配達の過程で名あて人ご本人様であることを厳格に確認する手続きが発生するため、その手間や確実性を確保するための費用として、基本料金や書留料金に加えて加算されます。

本人限定受取郵便の種類と料金体系

本人限定受取郵便には、主に以下の3つの種類があり、それぞれ手続きや料金構成が若干異なります。

  • 基本型: 最も一般的な本人限定受取郵便。受取人の氏名や住所などの記録は行いますが、受取時の本人確認書類の提示は必須ではありません。(郵便局の判断により提示を求める場合あり)
  • 特定記録型: 受取時に、差出人が指定した特定の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)の提示を、日本郵便株式会社が受取人に求めるタイプ。基本型より本人確認が厳格です。
  • 特定事項伝達型: 受取時に受取人の氏名、住居、生年月日などを日本郵便株式会社が記録し、その記録を差出人に通知するタイプ。最も厳格な本人確認と記録が行われます。

「本人限定受取郵便料金」自体は、これらの種類によらず一律(後述)ですが、組み合わせる書留の種類(一般書留か簡易書留か)が指定されている場合があり、それによって全体の料金が変わります。

「本人限定受取郵便料金」の具体的な金額と内訳

本人限定受取郵便にかかる料金は、以下の3つの合計で構成されます。

基本料金(郵便物の重さ・サイズによる) + 書留料金(一般書留または簡易書留) + 本人限定受取料金(オプション料金)

本人限定受取料金(オプション料金)

これが「本人限定受取郵便料金」として特徴的な部分です。郵便物の種類(手紙、はがきなど)や重さ、サイズに関わらず、一律の料金が加算されます。

現在の本人限定受取料金は、210円です。(2024年〇月時点の情報です。料金は改定される場合がありますので、ご利用前に日本郵便の公式サイト等で最新情報をご確認ください。)

書留料金

本人限定受取郵便は、必ず書留と組み合わせて送られます。これにより、万一郵便物が壊れたり届かなかったりした場合の損害賠償が受けられます。書留には一般書留と簡易書留があり、料金が異なります。

  • 一般書留: 480円〜(損害要償額に応じて加算)
  • 簡易書留: 320円(一律)

本人限定受取郵便の「基本型」と「特定事項伝達型」は一般書留と組み合わせるのが一般的です。「特定記録型」は簡易書留と組み合わせることが多いです。

基本料金

これは通常の郵便物にかかる料金と同じです。手紙(定形郵便、定形外郵便)やゆうパックなどの基本運賃を指します。

  • 定形郵便(25gまで): 84円
  • 定形郵便(50gまで): 94円
  • 定形外郵便: 120円〜(重さ・サイズによる)
  • ゆうパック: 発送元・お届け先・サイズ・重さによる

したがって、例えば定形郵便物(25g以内)を一般書留・本人限定受取(基本型)で送る場合の最低料金は、
84円(基本) + 480円(一般書留) + 210円(本人限定受取) = 774円
となります。ゆうパックなどの場合は、これよりも高額になります。

本人限定受取郵便はどこで差し出せる?

本人限定受取郵便は、ポストに投函することはできません。必ず郵便局の窓口で差し出す必要があります。

  • 郵便局の窓口: 全国の郵便局窓口で差し出しが可能です。差し出す際に、本人限定受取郵便で送る旨と、希望する種類(基本型、特定記録型、特定事項伝達型)を窓口担当者に伝えて手続きを行います。

本人限定受取郵便の受け取り方法と必要な本人確認書類

本人限定受取郵便の受け取りは、名あて人ご本人様に限定されます。受け取り場所は、主に以下の2通りです。

  • ご自宅での配達: 配達員が自宅まで伺い、名あて人ご本人様に手渡します。
  • 郵便局窓口での受け取り: ご不在等で持ち戻りになった場合や、あらかじめ希望した場合は、指定された郵便局の窓口で受け取ることができます。

受け取りに必要な本人確認書類

郵便物を受け取る際、配達員または郵便局窓口担当者から本人確認書類の提示を求められます。利用できる本人確認書類は、本人限定受取郵便の種類によって異なりますが、一般的には以下のものが有効です。

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード(個人番号カード)
  • パスポート
  • 在留カード
  • 各種健康保険証
  • 年金手帳
  • 身体障害者手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 療育手帳
  • 船員手帳
  • 戦傷病者手帳
  • 官公署が発行した顔写真付きの身分証明書 など

特に「特定事項伝達型」では、提示した本人確認書類の記号番号などを日本郵便が記録し、差出人に通知する手続きが行われます。「特定記録型」では、差出人が指定した種類の本人確認書類でなければ受け取れない場合があります。

これらの本人確認書類がない場合や、名あて人ご本人様以外の方が受け取ろうとした場合は、郵便物を受け取ることはできません。

本人限定受取郵便を利用するメリット・デメリット

メリット

  • 確実な本人への配達: 最も重要なメリットです。第三者による受け取りや、なりすましを防ぐことができます。
  • 厳格な本人確認: 日本郵便が受取人ご本人様であることを確認してくれるため、差出人側で本人確認の手間が省けます。
  • 配達記録の追跡: 書留扱いのため、追跡サービスで配達状況を確認できます。
  • 損害賠償: 郵便物が亡失またはき損した場合、一定の範囲内で損害賠償が行われます(書留の種類による)。
  • 重要情報の保護: クレジットカードや暗証番号通知など、プライバシーに関わる重要物を安全に送付できます。

デメリット

  • 料金が高い: 基本料金や書留料金に加えてオプション料金がかかるため、通常の郵便や書留よりも料金が高くなります。
  • 受け取りの手間: 受取人ご本人様が、有効な本人確認書類を提示して直接受け取る必要があります。ご不在が続く場合や、本人確認書類が手元にない場合は受け取りが難しくなります。
  • 転送されない: 転居届が出ていても新しい住所には転送されず、宛名に記載された住所に配達されます。

その他、本人限定受取郵便で知っておきたいこと

  • 保管期間: ご不在等で受け取られなかった場合、郵便局で約10日間保管されます。保管期間を過ぎると差出人に返還されます。
  • 差出時の本人確認: 本人限定受取郵便を差し出す際、差出人の本人確認書類の提示は原則不要です。ただし、郵便局が必要と判断した場合は提示を求められることがあります。
  • 内容物の制限: 法令で定められた禁制品や、郵便約款で定められた送れないものは、本人限定受取郵便でも送ることはできません。

まとめ

本人限定受取郵便料金は、郵便物を確実に、かつ厳格な本人確認を経て名あて人ご本人様に手渡しするための特別なサービスに対する費用です。その料金は、通常の基本料金と書留料金に加えて、本人限定受取のオプション料金210円(2024年〇月現在)を加算した合計額となります。

料金は高めですが、その分、重要な書類や品物を安全に、指定された本人に確実に届けることができるという高いメリットがあります。特に、クレジットカード、キャッシュカード、ローン契約書、公的な通知など、漏洩や誤配達が許されない郵便物の送付に非常に有効な手段と言えるでしょう。

差し出しは郵便局窓口で、受け取りは名あて人ご本人が有効な本人確認書類を提示して行う必要があります。利用を検討される際は、これらの手続きや、本人確認書類の種類について事前に日本郵便の公式サイトなどで確認しておくことをお勧めします。

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