定形外郵便とは? なぜ利用するの?
「定形外郵便(ていけいがいゆうびん)」とは、日本郵便が提供する郵便サービスの一つで、
手紙やはがきといった「定形郵便」のサイズや重量の規定から外れるものを送る際に利用できます。
比較的大きなものや厚みのあるものを、手軽かつ比較的安価に送れる方法として広く使われています。
なぜ定形外郵便を選ぶのか?
数ある配送方法の中で定形外郵便が選ばれる主な理由は以下の通りです。
- 手軽さ: 専用の送り状や契約が不要で、宛先と差出人を記載すれば送れる。
- 料金の安さ: サイズや重量によっては、他の宅配便サービスより安価になる場合が多い。特に軽い荷物や少し大きいものを送るのに有利。
- 全国一律料金: 送り元と送り先の距離に関わらず、料金は重量(および規格)のみで決まるため分かりやすい。
- ポスト投函も可能: 郵便ポストに入るサイズ・重量であれば、郵便局の窓口に行かずに投函できる。
特にフリマアプリやオークションサイトでの個人間の取引や、企業がカタログや試供品を送る際などに、コストを抑える目的でよく利用されます。
定形外郵便の料金はいくら? 【定形外郵便料金表一覧】
定形外郵便の料金は、送るものの「重さ」と「サイズ規格」によって決まります。
サイズ規格には「規格内(きかくない)」と「規格外(きかくがい)」の2種類があり、同じ重さでも規格外の方が料金は高くなります。
ここでは、それぞれの料金表を詳しく見ていきましょう。
定形外郵便 規格内 料金表
「規格内」とは、以下のサイズと重量の条件をすべて満たすものです。
長辺:34cm以内
短辺:25cm以内
厚さ:3cm以内
重量:1kg以内
これらの条件をすべて満たす場合の料金は以下の通りです。
規格内 料金一覧
- ~50g: 120円
- ~100g: 140円
- ~150g: 210円
- ~200g: 250円
- ~250g: 300円
- ~500g: 390円
- ~1kg: 580円
※料金は2024年現在のものです。郵便料金は改定される場合がありますので、必ず日本郵便の公式サイトで最新情報をご確認ください。
規格内の料金は、定形郵便よりは高くなりますが、厚みが3cmまで許容されるため、薄い書籍やCD、DVD、衣類などを送るのに適しています。
定形外郵便 規格外 料金表
「規格外」とは、上記の「規格内」のサイズ(長辺34cm、短辺25cm、厚さ3cm)のいずれか一つでも超えるもの、または重量が1kgを超えるものです。
ただし、規格外にも送れる最大サイズと最大重量の制限があります。
最大サイズ:
長さ + 幅 + 厚さ の合計が 90cm以内
ただし、長さは 60cm以内
最大重量:4kg以内
これらの規格外の条件を満たす場合の料金は以下の通りです。
規格外 料金一覧
- ~50g: 200円
- ~100g: 220円
- ~150g: 300円
- ~200g: 350円
- ~250g: 390円
- ~500g: 510円
- ~1kg: 710円
- ~2kg: 1,040円
- ~4kg: 1,350円
※料金は2024年現在のものです。郵便料金は改定される場合がありますので、必ず日本郵便の公式サイトで最新情報をご確認ください。
規格外の料金は、規格内より高くなりますが、様々な形やサイズの荷物を送ることができる柔軟性があります。
ぬいぐるみやおもちゃ、雑貨など、規格内のサイズに収まらないものを送る際に利用されます。
どこで【定形外郵便料金表一覧】を確認できる?
最新かつ正確な定形外郵便料金表を確認したい場合は、以下の場所や方法を利用するのが最も確実です。
- 日本郵便の公式サイト:
日本郵便のウェブサイトには、郵便料金のページがあり、定形郵便、定形外郵便を含む様々なサービスの料金が一覧で掲載されています。
料金改定があった場合も迅速に更新されるため、最も信頼できる情報源です。パソコンやスマートフォンからいつでも確認できます。 - 郵便局の窓口:
お近くの郵便局の窓口でも、料金表を確認できます。パンフレットや掲示物として用意されていることが多いです。
また、窓口で直接荷物を見せて、正確なサイズや重量を量ってもらい、料金を計算してもらうことも可能です。 - 郵便局に設置されているパンフレット:
多くの郵便局には、各種サービスや料金が記載されたパンフレットが置かれています。これを入手して持ち帰れば、自宅でいつでも確認できます。
特にインターネット上の情報や古い資料は、料金改定に対応していない可能性があるため、必ず上記の公式な情報源で最新の料金をご確認ください。
送りたいものは規格内?規格外? どうやって判断する?
定形外郵便で送る荷物が「規格内」になるか「規格外」になるかで料金が大きく変わります。正確に判断するための具体的な方法を説明します。
1.サイズを測る
まず、送る荷物の「長さ」「幅」「厚さ」をそれぞれ測ります。
- 長辺: 一番長い辺の長さを測ります。
- 短辺: 二番目に長い辺の長さを測ります。
- 厚さ: 荷物の一番厚みのある部分を測ります。
測定にはメジャーや定規を使用します。梱包後のサイズで測るのが重要です。
【規格内のサイズ条件】
長辺:34cm以内
短辺:25cm以内
厚さ:3cm以内
この3つの条件をすべて満たしているか確認します。
例えば、長辺が30cm、短辺が20cm、厚さが2cmであれば、規格内のサイズ条件を満たしています。
しかし、長辺が35cmだったり、厚さが4cmだったりすれば、サイズの時点で規格外となります。
【規格外の最大サイズ条件】
規格外の場合でも、以下の最大サイズを超えては送れません。
長さ + 幅 + 厚さ の合計が 90cm以内
ただし、長さは 60cm以内
例:長さ50cm、幅30cm、厚さ10cm の荷物の場合。
長さは60cm以内でOK。
合計は 50 + 30 + 10 = 90cm なので、合計も90cm以内でOK。
この荷物はサイズ的には規格外として送れます。
2.重さを測る
次に、送る荷物の重さを測ります。
- 荷物を梱包した状態で、キッチンスケールや郵便用の計量器などで正確に重さを測ります。
【規格内の重量条件】
重量:1kg以内
サイズが規格内条件を満たしている場合、重さが1kg以内であれば「規格内」となります。
サイズは規格内なのに重さが1kgを超えている、というケースはありえません(規格内の最大重量が1kgだからです)。
【規格外の最大重量条件】
規格外の場合、最大4kgまで送ることができます。
最終的な判断
上記の測定結果に基づいて、以下の流れで判断します。
- まず、サイズ(長辺、短辺、厚さ)が「規格内」の条件(34cm/25cm/3cm以内)をすべて満たしているか確認します。
- もし、一つでも超えている場合、その荷物は「規格外」です。次に重さが4kg以内、かつ規格外の最大サイズ条件(合計90cm、長さ60cm)を満たしているか確認します。満たしていれば規格外として送れます。
- もし、サイズがすべて「規格内」の条件を満たしている場合、最後に重さを確認します。重さが1kg以内であれば「規格内」です。
まとめ:
サイズが規格内 → 重さ1kg以内 → 規格内
サイズが規格内 → 重さ1kg超 → これはありえない(規格内最大が1kgのため)
サイズが規格外 → 重さ4kg以内、かつ最大サイズ以内 → 規格外
サイズが規格外 → 重さ4kg超、または最大サイズ超 → 定形外郵便では送れない(他のサービスを検討)
自宅での測定に自信がない場合は、郵便局の窓口で測ってもらうのが最も確実です。誤った料金で送ってしまうと、受取人に不足分が請求されたり、返送されたりする可能性があります。
定形外郵便をどうやって送る? 送る方法と手順
定形外郵便を送るための具体的な手順を説明します。
-
送るものを梱包する
送るものが破損しないよう、適切な箱や封筒、緩衝材を使ってしっかりと梱包します。
特に壊れやすいものや水濡れに弱いものは、十分に保護材を使い、ビニールなどで防水対策を施しましょう。
定形外郵便には様々な材質の袋や箱が使えますが、内容物に応じた強度が必要です。 -
サイズと重さを測る
梱包が終わったら、メジャーと計量器を使って正確なサイズ(長辺、短辺、厚さ)と重さを測ります。
ここで測ったサイズと重さによって、規格内か規格外か、そして料金が決まります。
自宅に計量器がない場合は、郵便局の窓口で測ってもらえます。 -
料金を計算する
測ったサイズと重さを基に、上記の料金表を使って正確な料金を計算します。
例えば、サイズが規格内で重さが120gなら140円、サイズが規格外で重さが600gなら710円、といった具合です。 -
宛名と差出人を記載する
荷物の表面に、受取人の郵便番号、住所、氏名をはっきりと正確に記載します。
裏面(または荷物の隅)に、自分の郵便番号、住所、氏名を記載します。
油性ペンなど、雨などで文字が消えないものを使用しましょう。 -
送料分の切手を貼る、または窓口で支払う
計算した料金分の郵便切手を荷物に貼ります。
料金が不足していると届かなかったり、受取人に迷惑がかかったりするので、正確な料金分の切手を貼りましょう。
たくさんの切手を貼る場合は、荷物の表面にきれいに並べて貼ります。切手を持っていない場合や、料金が不安な場合は、切手を貼らずに郵便局の窓口へ荷物を持っていきます。
窓口でサイズと重さを測ってもらい、料金を支払い、その場で荷物を差し出せば完了です。 -
差し出す(ポスト投函または窓口)
【切手を貼った場合】
郵便ポストに投函します。ただし、荷物がポストの投函口に入るサイズである必要があります。
大型の荷物や、ポストに入りきらない場合は、郵便局の窓口へ持って行きます。
【切手を貼っていない場合】
必ず郵便局の窓口で差し出します。窓口で料金を支払い、その場で受け付けてもらいます。
これで定形外郵便の差し出しは完了です。配達までの日数は、送り先によりますが、通常、差し出し日の翌日または翌々日に配達されます(日曜日や祝日を挟む場合、遠方への配達などは日数がかかることがあります)。
追跡や補償はつけられる? オプションサービスについて
基本的な定形外郵便は、追跡番号がなく、万が一の破損や紛失に対する補償もありません。
しかし、必要に応じて追加料金を支払うことで、追跡や補償などのオプションサービスを付けることができます。
特定記録(+160円)
郵便物を差し出した記録を残したい場合に利用します。
郵便局の窓口で差し出す必要があり、控えが発行されます。
インターネット上で配達状況を確認できますが、ポスト投函や手渡しといった配達完了までの追跡はできません。
また、万が一の場合の損害賠償はありません。
簡易書留(+350円~)
郵便物を追跡したい、またある程度の補償をつけたい場合に利用します。
差し出しから配達までの経路が記録され、インターネットで追跡が可能です。
配達は受取人へ対面で行われ、受領印または署名が必要です。
万が一、郵便物が壊れたり届かなかったりした場合、原則として5万円までの実損額が賠償されます。
料金は基本料金+350円(損害要償額5万円までの場合)です。
一般書留(+480円~)
簡易書留よりも高額な補償をつけたい場合に利用します。
簡易書留と同様に追跡・対面での配達が行われます。
損害要償額は、自分で設定することができ、原則として差し出し時に申し出た損害要償額までの実損額が賠償されます。
料金は基本料金+480円(損害要償額10万円までの場合)からで、損害要償額10万円ごとに21円が加算されます。
その他
- 速達(+260円~): 通常より早く届けたい場合に利用します。
- 配達証明(+350円): 郵便物をいつ相手に配達したのか、郵便局が証明するサービスです(書留とした郵便物に限ります)。
- 内容証明(+440円~): いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出したかを、日本郵便が証明する制度です(書留とした郵便物に限ります)。
貴重品や、確実に届けた記録を残したい場合は、これらのオプションサービス(特に簡易書留や一般書留)の利用を検討しましょう。
ただし、オプションサービスを追加すると、その分の料金が基本料金に加算されます。
定形外郵便で送れないものはある?
定形外郵便を含む郵便物全般には、法律や条約により送ることができない「禁制品」が定められています。
主なものは以下の通りです。
- 爆発性、発火性その他の危険物
- 毒薬、劇薬、毒物または劇物(※ただし、法令に基づき認められた方法で送る場合は除く)
- 病原体、病原体に汚染され、または汚染されたおそれのあるもの
- 生きた動物(※ただし、条件を満たし認められた方法で送る場合は除く)
- 人に危害を加えるおそれのある刃物
- わいせつな物品
- 法令に基づき送付を禁止されたもの
これらの品物を送ると、法令違反となるだけでなく、他の郵便物や職員に危険が及ぶ可能性があります。
送りたいものがこれらの禁制品に該当しないか、必ず事前に確認してください。
具体的な禁制品リストは、日本郵便の公式サイトで確認できます。
また、定形外郵便は基本的に壊れやすいものや精密機器の発送にはあまり向いていません。
補償がないため、万が一破損や紛失があった場合のリスクを理解しておく必要があります。
高価なものや壊れやすいものを送る際は、書留やゆうパックなど、追跡や補償が充実した別のサービスを検討することをお勧めします。
まとめ:定形外郵便を賢く利用するために
定形外郵便は、サイズや重さに応じて料金が決まるシンプルで便利な郵便サービスです。
特に、定形郵便では送れない少し大きめの荷物や、軽いけれど厚みのあるものを安価に送りたい場合に非常に有効な手段となります。
利用する際は、以下の点を正確に把握することが重要です。
- 送る荷物の正確なサイズと重さを測る。
- 測った結果を基に、「規格内」か「規格外」かを正しく判断する。
- 規格に応じた最新の【定形外郵便料金表一覧】で正確な料金を確認する。
これらのステップを踏むことで、適切な料金でトラブルなく荷物を送ることができます。
追跡や補償が必要な場合は、オプションサービスを追加することも可能です。
ご自身の送りたいものに最適な方法を選び、定形外郵便を上手に活用しましょう。