日本の国技として多くの人々に親しまれている大相撲。年に六場所開催される本場所の模様は、テレビやインターネットを通じて日本全国、そして世界にも届けられています。この「大相撲中継」について、「具体的にどんなもの?」「どこで見られるの?」「お金はかかるの?」「どんな内容が放送されるの?」といった、見る人が抱く様々な疑問にお答えします。単なる試合観戦にとどまらない、大相撲中継の世界を詳しく見ていきましょう。


大相撲中継って具体的に何を放送しているの?(「何」について)

大相撲中継は、単に力士が土俵でぶつかり合う「取組」だけを映しているわけではありません。一日の放送時間の中で、非常に多岐にわたる内容が盛り込まれています。主な放送内容は以下の通りです。

  • 各段の取組(序ノ口から幕内まで):午前中から始まる下位の番付(序ノ口、序二段、三段目)の取組から順に放送され、午後になるにつれて幕下、十両、そしてクライマックスの幕内の取組へと移ります。
  • 土俵入:十両と幕内の力士が、それぞれ揃って土俵に上がる儀式です。特に幕内力士の総勢による土俵入りは圧巻です。
  • 横綱土俵入:現役横綱のみが行う特別な土俵入です。露払い、太刀持ちを伴い、荘厳な雰囲気の中で行われます。
  • 弓取式:一日の幕内取組の最後に行われる伝統的な儀式です。弓を勇壮に振る姿が披露されます。
  • 力士紹介:取組前に力士の四股名、出身地、所属部屋、身長、体重、過去の対戦成績などが紹介されます。
  • 解説・実況:元力士である「親方」が解説として、相撲の技術や力士の心理、土俵の状況などを専門的に解説します。アナウンサーが実況を務め、取組の経過や勝敗(決まり手)を伝えます。
  • 場内リポート:花道や支度部屋の様子、場内の雰囲気などをリポーターが伝えます。
  • 取組の分析・ダイジェスト:注目の取組や、その日の全取組結果などがまとめられて放送されます。
  • インタビュー:その日の勝利力士(特に注目の取組の勝者)へのインタビューが行われることがあります。
  • 懸賞の紹介:幕内の取組で懸けられる懸賞幕が紹介されます。

これらの内容が、一日の放送スケジュールに沿って進行し、相撲の魅力を立体的に伝えています。


大相撲中継は「どこ」で見られるの?(「どこ」について)

大相撲中継を視聴できる主な場所は、テレビ放送とインターネット配信です。

テレビ放送

  • NHK総合テレビ:

    日本国内の地上波で、大相撲中継のメインチャンネルです。主に平日の夕方(例:16時台~18時台)と、土日祝日の夕方(例:15時台~18時台)に幕内を中心に放送されます。視聴者数が最も多く、多くの人がここで大相撲中継に触れています。中継の顔とも言えるチャンネルです。

  • NHK BS(BS1):

    BS放送では、NHK総合よりも早い時間から、より多くの取組を放送します。序ノ口から十両、そして幕内前半の取組などが中継されるため、「一日を通してじっくり見たい」というファンはこちらを利用することが多いです。平日は午後から、土日祝日は午前中から放送が始まることもあります。NHK総合と連携して、放送時間の棲み分けがされています。

インターネット配信

  • NHKプラス:

    NHKのサービスで、NHK総合で放送された大相撲中継を同時配信したり、見逃し配信で視聴したりすることができます。テレビを持っていない方や、外出先で見たい場合に便利です。利用にはID登録が必要です。

  • AbemaTV:

    インターネットテレビ局AbemaTVでも、大相撲中継が配信されることがあります。こちらは無料で視聴できるチャンネルと、有料のプレミアム会員向けチャンネルがあります。無料チャンネルでも幕内の取組などが配信されることが多く、手軽に視聴できる手段として利用されています。独自の解説や企画が加わることもあります。

  • その他:

    場所によっては、日本相撲協会公式チャンネルや特定のプラットフォームで有料配信が行われる可能性もありますが、

    一般的な視聴方法としては上記のNHKのテレビ・配信、そしてAbemaTVが主となります。

これらのチャンネルやサービスを使い分けることで、様々な形で大相撲中継を楽しむことができます。


大相撲中継を見るのに「いくら」かかる?(「いくら」について)

大相撲中継を視聴する際の費用は、利用するプラットフォームによって異なります。

  • NHK総合・NHK BS:

    これらのチャンネルでの視聴自体に、特別な「大相撲視聴料」はかかりません。ただし、これらはNHKの放送であり、NHKの放送を受信できる環境にある世帯は、受信料を支払う義務があります。大相撲中継は、この受信料によって賄われている公共放送のサービスの一部という位置づけです。つまり、受信料を支払っていれば、追加料金なしで見放題ということになります。

  • NHKプラス:

    NHKの受信料を支払っている世帯であれば、追加料金なしで利用できます。ID登録は必要ですが、サービス利用自体に新たな費用は発生しません。

  • AbemaTV:

    AbemaTVの一部チャンネルでは、無料で大相撲中継を見ることができます。しかし、より多くの場所の取組を見たい、特定の機能(追っかけ再生など)を使いたい、広告なしで見たいといった場合は、Abemaプレミアムという有料プラン(月額制)への登録が必要になります。

最も一般的な視聴方法であるNHKでの視聴は、日頃から受信料を支払っているならば追加費用は不要です。手軽に見始めるならAbemaTVの無料チャンネルも選択肢に入ります。


大相撲中継の一日は「どのように」進むの?(「どのように」について)

大相撲中継は、一日の取組の流れに合わせて進行します。場所が始まってからの15日間、毎日ほぼ同じタイムテーブルで進むため、慣れてくると「〇時頃にはあの力士の取組かな」と予想できるようになります。

具体的な進行は、その日の取組数や放送時間によって変動しますが、NHKの中継を例に一般的な流れを追ってみましょう。

  1. 午前~午後早期:序ノ口、序二段、三段目の取組。この時間は主にBS放送で中継されます。場所によってはNHK総合で、ごく早い時間から中継が始まることもあります。
  2. 午後:幕下の取組が中心になります。BS放送で引き続き中継。中には将来の関取候補となる力士も登場します。
  3. 午後遅く:十両の取組が始まります。この時間帯から、NHK総合でも中継が始まることが多いです。幕内力士に次ぐ地位であり、ここから中継の注目度が高まります。
  4. 夕方(中継のメイン):幕内の取組が始まります。NHK総合の中継の中心時間帯です。
    • 幕内土俵入
    • 横綱土俵入(横綱が出場する場合)
    • 幕内前半の取組
    • 中入り(休憩・幕間の放送)
    • 幕内後半の取組(三役以上の取組など、注目の対戦が多い)
    • 結びの一番(その日の最後の取組)
    • 弓取式
  5. 中継終了後:その日の全取組結果や、翌日の予告などが短く伝えられることもあります。

特にNHK総合の中継では、視聴率が高まる夕方以降の幕内取組に焦点が当てられます。BS放送と組み合わせることで、より長い時間、様々な番付の力士の取組を見ることができます。


初めて見る人でも「どうやって」楽しめる?(「どうやって」について)

「相撲のルールが分からない」「力士の名前を知らない」という初めての方でも、大相撲中継は十分に楽しめます。その鍵を握るのが、解説実況、そして画面表示です。

  • 親方の解説:

    元力士である解説の親方は、相撲の技術や決まり手、力士の体格や特徴が取組にどう影響するか、土俵上の駆け引きなど、専門的な視点から分かりやすく説明してくれます。「今、力士はこんなことを考えているんです」「この体勢はどちらが有利か」といった解説は、初めて見る人にとって相撲の奥深さを知る良いきっかけになります。また、相撲界の慣習や力士の背景に関する話も交えられ、単なるスポーツ中継を超えた文化的な側面も伝わってきます。

  • 実況アナウンサー:

    アナウンサーは、土俵上の動きを言葉で描写し、取組の経過を伝えます。力士の名前や番付をアナウンスし、勝敗が決まった際には「~の勝ち!決まり手は〇〇!」と明確に伝えます。解説の親方から専門的な話を引き出す役割も担います。

  • 画面表示:

    テレビ画面には、対戦する力士の四股名、所属部屋、番付、出身地などの基本的な情報が常時表示されます。取組後には、勝者と敗者、そして勝負を決めた「決まり手」(押し出し、寄り切り、投げ技など、相撲の技の種類)がテロップで表示されます。これにより、相撲のルールや技を知らなくても、「この技で勝ったんだな」と視覚的に理解できます。

これらの要素が組み合わさることで、たとえ相撲の知識が全くなくても、目の前で繰り広げられる力士たちの真剣勝負の迫力、解説による技術や駆け引きの面白さ、そして勝利が決まった瞬間の爽快感などを十分に味わうことができるようになっています。


「なぜ」多くの人が大相撲中継を見るの?(「なぜ」について)

大相撲中継が多くの人々に視聴される理由はいくつか考えられます。

  • ライブの迫力:

    力士と力士が正面からぶつかり合う一瞬の勝負は、生で見るからこその迫力があります。テレビ画面を通してでも、その衝撃音や力士の気迫、土俵の緊迫感が伝わってきます。結果がすぐに決まるスピーディーさも魅力です。

  • お気に入りの力士を応援:

    力士一人一人に個性があり、ドラマがあります。体格や相撲スタイル、出身地、師匠との関係など、応援したくなる力士を見つけると、その取組を見るのが待ちきれなくなります。日々の勝敗に一喜一憂するのも楽しみ方の一つです。

  • 解説で知る相撲の奥深さ:

    解説の親方の話を聞くことで、表面的な勝敗だけでなく、なぜその技が出たのか、なぜあの体勢になったのかなど、相撲の技術や戦略的な側面を知ることができます。見るたびに新たな発見があり、相撲への理解が深まります。

  • 季節の風物詩:

    大相撲の本場所は年に6回、奇数月に開催されます。一月場所、三月場所、五月場所…と、大相撲中継を見ることで季節の移り変わりを感じるという人も少なくありません。「今年もこの季節が来たな」と、中継を心待ちにしているファンは多いです。

  • 伝統と文化:

    単なるスポーツではなく、長い歴史を持つ日本の伝統文化としての側面も持っています。土俵入りや弓取式といった儀式、力士の所作、独特の用語(番付、決まり手、場所など)に触れることで、日本の文化を感じることができます。

これらの理由が複合的に作用し、老若男女問わず幅広い層の人々が大相撲中継を楽しんでいます。


取組以外の「どのように」も充実?(その他の放送内容)

大相撲中継は、取組そのものだけでなく、それを盛り上げるための様々な映像や情報も提供しています。

  • スロー再生:

    勝負が決まった瞬間や、注目の攻防があった際には、スロー再生で何度もその場面を見せてくれます。これにより、肉眼では追いきれない力士の細かい動きや、決まり手の技術などをじっくりと確認できます。

  • 多角的なカメラアングル:

    土俵のすぐそば、少し離れた観客席側、真上からの映像など、様々な角度から取組を捉えることで、力士の全身の動きや土俵上での位置関係などが分かりやすくなっています。

  • 力士の表情や仕草:

    取組前の「仕切り」の様子や、塩をまく動作、勝負が決まった後の力士の表情などもアップで映されることが多く、力士の精神状態やその時の感情を感じ取ることができます。

  • データやグラフ:

    過去の対戦成績、力士の体格比較、年間勝星数ランキングなど、データを用いた解説やグラフ表示も頻繁に行われます。これにより、力士の強さやその場所での勢いを客観的に把握することができます。

これらの要素が加わることで、単なるスポーツ観戦ではなく、力士たちの人間ドラマや相撲の技術、そして伝統文化としての側面も含めて、より深く大相撲の世界に没入できるようになっています。大相撲中継は、取る組を見るだけでなく、その周辺情報や解説も含めて一つの完成されたエンターテイメントと言えるでしょう。

大相撲中継

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