四海楼長崎とは?長崎ちゃんぽん・皿うどんの「なぜ」がここに
四海楼は、長崎の食文化を語る上で決して外せない、非常に重要な存在です。単なる老舗中華料理店ではなく、長崎名物である「ちゃんぽん」と「皿うどん」を生み出した、まさにその発祥の店だからです。1899年(明治32年)、福建省出身の陳平順氏によって創業されました。なぜちゃんぽんや皿うどんが生まれたのか?それは、当時の長崎に多く滞在していた中国人留学生たちのために、「安くて栄養があり、腹持ちの良い」食事を提供したいという陳平順氏の思いからでした。日本の食材を使って故郷の味を再現しようと試行錯誤した結果、現在のちゃんぽんのルーツとなる料理が誕生したのです。四海楼は、この「なぜ」に応える場所であり、長崎の歴史と食が交差するシンボルと言えます。
四海楼の名物料理:ちゃんぽん・皿うどんの「何」が特別?
四海楼のちゃんぽんや皿うどんが、他の多くの店と一線を画す「何」を持っているのか?それは、その歴史に裏打ちされた伝統の味と丁寧な仕事にあります。
四海楼のちゃんぽん
- スープ:豚骨や鶏ガラをじっくり煮込んだ、白濁した深みのあるスープが特徴です。創業以来受け継がれる秘伝の製法で作られており、濃厚でありながらもしつこさがなく、豊かな旨味が口いっぱいに広がります。
- 具材:新鮮な魚介類(エビ、イカ、アサリなど)と豚肉、そしてキャベツ、もやし、ニンジン、かまぼこなど、十数種類の具材がたっぷり使われています。これらの具材の旨味がスープに溶け出し、複雑で奥行きのある味わいを生み出しています。
- 麺:ちゃんぽん専用の太くてもちもちとした麺は、スープによく絡み、食べ応えがあります。具材と麺、スープが一体となったバランスの良さが、四海楼のちゃんぽんの真骨頂です。
四海楼の皿うどん
- 麺:皿うどんには、パリパリに揚げた細麺と、ちゃんぽんと同じ太麺を炒めたやわらかい麺の2種類があります。四海楼ではどちらも提供しており、お好みで選べます(一般的に「皿うどん」と言えば細麺を指すことが多いです)。
- あん:ちゃんぽんと同じく、魚介や肉、野菜を使い、とろみをつけたあんかけを麺の上にたっぷりかけます。具材の種類はちゃんぽんに準じますが、あんのとろみが麺にしっかりと絡みつき、また違った食感と味わいを楽しめます。特に揚げ麺にかかったあんは、最初はパリパリ、時間が経つとあんを吸ってしっとりとなり、食感の変化も魅力です。
代表的なメニューと「いくら」くらい?
四海楼の看板メニューであるちゃんぽんや皿うどんの価格は、おおよそ1,200円〜1,500円程度(2023-2024年頃の情報に基づく目安)です。海鮮を増量したものなど、いくつかのバリエーションがあり、それによって値段は変動します。他にも、酢豚や麻婆豆腐など、本格的な中華料理も提供しており、これらの単品料理は1,500円〜3,000円程度の価格帯が多いです。観光地の老舗としては標準的な価格設定と言えるでしょう。
四海楼長崎は「どこ」にある?「どうやって」行く?
四海楼は、長崎市の中心部から少し南、長崎港を見下ろす高台近くに位置しています。観光名所であるグラバー園や大浦天主堂から歩いてすぐの場所にあり、観光ルートに組み込みやすい立地です。
所在地・住所
〒850-0921
長崎県長崎市松が枝町4-5
公共交通機関での「どうやって」行き方
長崎の観光に便利なのが路面電車です。
- 長崎電気軌道(路面電車)の5系統に乗車します。
- 「大浦海岸通(おおうらかいがんどおり)」電停で下車します。
- 電停から四海楼の建物はすぐ目の前、徒歩約1分です。
JR長崎駅からは、まず路面電車の「長崎駅前」電停から1系統または3系統に乗車し、「新地中華街」で5系統に乗り換えるのが一般的です。乗り換え含め、所要時間は15分〜20分程度です。
駐車場はある?
四海楼には専用駐車場はありません。車で行く場合は、周辺のコインパーキングを利用することになります。グラバー園や大浦天主堂周辺にいくつか時間貸し駐車場がありますが、観光シーズンや週末は混雑が予想されるため、公共交通機関の利用をおすすめします。
四海楼の建物「どれくらい」大きい?各フロアの「何」がある?
現在の四海楼の建物は、1973年に建てられた地上5階建てのビルです。長崎港に面しており、特に上層階からの眺めが素晴らしいことでも知られています。各フロアには以下のような施設があります。
- 1階:エントランス、受付、お土産・売店コーナー
ちゃんぽん関連のお土産やお菓子などが購入できます。 - 2階:円卓個室、宴会場
主に団体客や宴会、慶事などに利用されるフロアです。 - 3階:レストランフロア
広々とした空間で、テーブル席が中心。窓からは長崎港や稲佐山方面の景色が楽しめます。 - 4階:レストランフロア
こちらも同様にテーブル席が中心のレストランフロア。3階とはまた少し違う角度からの景色が楽しめます。 - 5階:展望フロア、華僑の歴史資料館
このフロアは食事をする場所ではなく、長崎港やグラバー園方面、遠くは稲佐山まで見渡せる無料の展望台があります。また、四海楼の創業から現在までの歴史や、長崎における華僑の歴史・文化を紹介する資料館も併設されており、食事の前後に立ち寄ると、より四海楼の背景にある物語を知ることができます。
建物自体が長崎港のランドマークの一つとなっており、特に夜はライトアップされて美しい姿を見せます。
四海楼で食事をする際の「どうすれば」良い?予約は必要?
四海楼は非常に人気のある老舗店ですので、特に週末や観光シーズンのランチタイム、ディナータイムは多くのお客さんで賑わいます。「どうすればスムーズに食事ができるか?」というと、予約を検討するのが一番です。
予約の必要性
必須ではありませんが、特に大人数(4名以上など)や、混雑が予想される時間帯、窓側の席を希望する場合は、事前に電話で予約することをおすすめします。個人や少人数でフラッと立ち寄る場合でも、時間帯によっては待ち時間が発生することを覚悟しておきましょう。
「どのように」予約する?
予約は主に電話で行います。公式サイトで予約方法を確認するか、直接電話で問い合わせてみましょう。希望日時、人数、代表者氏名、連絡先などを伝えます。特定の席(例: 窓側)を希望する場合は、予約時に相談してみてください。
混雑を避けるには?
待ち時間を避けたい場合は、開店直後(ランチ開始時間)や、ランチのピークを過ぎた時間帯(14時過ぎ)、ディナーの比較的早い時間帯(17時台)を狙うのが良いでしょう。平日は比較的利用しやすい傾向にあります。
営業時間・定休日は「いつ」?
四海楼の営業時間は、ランチとディナーで分かれているのが一般的です。
- 営業時間(目安):
ランチタイム: 11:30~15:00頃
ディナータイム: 17:00~21:00頃(ラストオーダーは閉店時間より前) - 定休日:
基本的には不定休です。年末年始や施設のメンテナンスなどで休業する場合がありますので、訪問前に公式サイトで営業日カレンダーを確認するか、電話で問い合わせるのが最も確実です。
長崎観光の際には、ぜひ四海楼を訪れて、ちゃんぽん・皿うどん誕生の地に触れ、伝統の味と素晴らしい眺望を体験してみてください。それが、長崎の食文化をより深く知る「なぜ」への答えとなるはずです。