健康保険料額表は、ご自身の健康保険料や介護保険料の月額を知る上で非常に重要な情報源です。これは、加入している健康保険の種類や収入に応じて、支払うべき保険料が具体的にいくらになるかを示した一覧表です。特に会社員の方など、勤務先を通じて健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している方にとっては、自身の給与から天引きされる健康保険料の根拠となるものです。

この保険料額表について、以下によくある疑問とその詳細な回答をまとめました。

健康保険料額表とは何ですか?

健康保険料額表とは、健康保険の被保険者が支払う健康保険料と、該当する場合は介護保険料の月額を、標準報酬月額(または標準賞与額)と照らし合わせて一覧にした表です。

  • 標準報酬月額とは: 被保険者が事業主から受け取る毎月の給与などの報酬を、一定の幅(等級)に区分したものです。健康保険料・介護保険料はこの標準報酬月額をもとに計算されます。
  • 表の内容: この表には、標準報酬月額の等級ごとに、その月に支払うべき健康保険料(全額および本人負担分)と、介護保険第2号被保険者(40歳以上65歳未満)に該当する場合は介護保険料(全額および本人負担分)、そしてそれらを合計した保険料額が記載されています。
  • 目的: 被保険者が自身の標準報酬月額から、支払うべき保険料額を容易に確認できるようにするために作成されています。

なぜ保険料額表が必要なのですか?

健康保険料は、所得(標準報酬月額)によって異なり、さらに加入している健康保険の種類や所在地(協会けんぽの場合)によって保険料率が異なるため、一律ではありません。この保険料額表があることで、複雑な計算をすることなく、自身の状況に応じた正確な保険料額を把握することができます。

  • 保険料計算の基準: 保険料は「標準報酬月額 × 保険料率」で計算されますが、保険料額表はこの計算結果をあらかじめ等級ごとに示しています。
  • 保険料率の違い:
    • 協会けんぽ: 保険料率は都道府県ごとに異なります。これは、各都道府県の医療費水準や高齢化率などが異なるためです。そのため、協会けんぽの保険料額表は都道府県別に作成されています。
    • 健康保険組合: 大企業などが設立する健康保険組合は、独自の保険料率を定めている場合があります。そのため、組合ごとに独自の保険料額表を作成しています。
  • 自己負担額の把握: 給与明細に記載される健康保険料は、この表に示されている本人負担分の金額に基づいています。

保険料額表はどこで入手できますか?

最新の正確な保険料額表は、以下の方法で入手するのが一般的です。

  1. 健康保険の運営主体の公式ウェブサイト:

    • 全国健康保険協会(協会けんぽ): 協会けんぽの公式サイトには、全国版の情報と共に、各都道府県支部のページがあります。ご自身がお勤めの事業所の所在地を管轄する都道府県支部のページに進むと、その都道府県に適用される最新の保険料額表(PDFファイルなど)が公開されています。
    • 健康保険組合: 加入している健康保険組合が独自のウェブサイトを開設している場合、そのサイト内で保険料額表が公開されていることが多いです。「〇〇健康保険組合 保険料額表」といった名称で探してみてください。
  2. 勤務先の人事・総務担当部署:

    • 会社員の方であれば、勤務先が加入している健康保険の種類や所在地を把握しています。人事・総務担当部署に問い合わせることで、最新の保険料額表の提供を受けることができます。
    • 給与計算のために最新の保険料率・保険料額表を使用しているため、最も確実な情報を持っている場合が多いです。

【注意点】 保険料率は毎年改定されるのが通例です。必ずその年度の最新版の保険料額表を参照するようにしてください。古い情報に基づくと、保険料額が異なります。通常、改定は4月1日から適用されることが多いため、年度の切り替わり時期には特に最新版を確認することが重要です。

保険料額表の見方・使い方(保険料はいくら?)

ご自身の健康保険料額(および介護保険料額)を知るには、以下の手順で保険料額表を参照します。

  1. ご自身の「標準報酬月額」を確認する:

    標準報酬月額は、毎年一度、原則として4月・5月・6月の3ヶ月間の報酬(給与、残業手当、通勤手当など)の平均額を基に計算され、「標準報酬月額等級」に当てはめられて決定されます(これを定時決定といいます)。決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月までの保険料計算に適用されます。

    ご自身の標準報酬月額は、給与明細や、毎年秋頃に勤務先から通知される「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書」などで確認できます。年の途中で給与が大幅に変動した場合は、随時改定により標準報酬月額が変わることもあります。

  2. 加入している保険の最新の保険料額表を入手する:

    協会けんぽ加入者であれば、お勤めの事業所の所在地を管轄する都道府県の、その年度の最新版の保険料額表を入手します。健康保険組合加入者であれば、その組合の最新版の保険料額表を入手します。

  3. 表で該当箇所を探す:

    入手した保険料額表を開き、「標準報酬月額」の列(または等級の列)で、ご自身の標準報酬月額が該当する行を見つけます。

    表の左側に「標準報酬月額等級」と「標準報酬月額」の列があり、右側に「保険料額」の列が並んでいます。「標準報酬月額」の範囲が示されている場合が多いです。 等級 XX > 保険料額XXX円>

  4. 対応する保険料額を確認する:

    ご自身の標準報酬月額の行が見つかったら、対応する保険料額の列を確認します。

    • 表には「健康保険料(折半額)」と「健康保険料(全額)」が記載されています。給与から天引きされるのは「健康保険料(折半額)」、つまり本人負担分です。全額は本人負担分と事業主負担分(会社が負担する分)の合計です。
    • 40歳以上65歳未満の方(介護保険第2号被保険者): この年齢に該当する方は、健康保険料に加えて介護保険料の負担も発生します。保険料額表には、介護保険料(折半額)や、健康保険料と介護保険料を合計した「健康保険料計(折半額)」の列も記載されています。この合計額が、月々の給与から天引きされる総額となります。

    例: 標準報酬月額20万円で40歳未満の場合、健康保険料(折半額)の列を見ます。同じ条件で40歳以上の場合、健康保険料計(折半額)の列を見ます。

標準報酬月額の確認と保険料額表の参照イメージ

(例)
・勤務先: 東京都内の事業所
・加入保険: 協会けんぽ東京支部
・標準報酬月額: 200,000円
・年齢: 45歳

1. 協会けんぽ東京支部の最新の保険料額表を入手。
2. 表の「標準報酬月額」の列で「200,000円」が属する範囲(例:195,000円以上 210,000円未満)を見つける。
3. その行で「健康保険料計(折半額)」の列を見る。
4. 表示されている金額(例:11,850円)が、月々の健康保険料+介護保険料の合計本人負担分となります。
(内訳を見たい場合は、健康保険料(折半額)と介護保険料(折半額)の列も確認できます。)

保険料率・保険料額表はどのくらいの頻度で改定されますか?

健康保険料率および介護保険料率は、医療費の動向や加入者の状況(高齢化率など)を踏まえ、原則として年に一度見直しが行われます。

  • 協会けんぽ: 例年、春頃にその年度の保険料率が決定・公表され、3月分の保険料(通常4月納付分・給与控除分)から適用されることが多いです。
  • 健康保険組合: 各組合の財政状況などによって、協会けんぽと同じタイミングで改定されることもあれば、異なるタイミングや頻度で改定されることもあります。組合の規約によります。

保険料額表は、この改定された保険料率に基づいて作成されます。そのため、古い年度の保険料額表を参照すると、正しい保険料額が分からないので注意が必要です。

保険料額表は誰が作成・管理していますか?

保険料額表は、加入している健康保険の運営主体が作成・管理しています。

  • 協会けんぽの場合: 全国の保険料率は厚生労働大臣によって決定され、それを基に全国健康保険協会(協会けんぽ)の本部および各都道府県支部が、それぞれの都道府県の料率に応じた保険料額表を作成し、管理・公開しています。
  • 健康保険組合の場合: 各健康保険組合が、組合の財政状況などを考慮して、規約に基づき独自の保険料率を定め、それに応じた保険料額表を作成・管理しています。組合の理事会などで承認されたものが適用されます。

したがって、保険料額表に関する問い合わせや不明点の確認は、ご自身が加入している健康保険の種類(協会けんぽのどの都道府県支部か、またはどの健康保険組合か)を明確にして、その運営主体に行う必要があります。

健康保険料額表は、自身の健康保険料負担額を正確に知るための基本的なツールです。標準報酬月額と照らし合わせることで、給与明細に記載されている保険料額の根拠を理解することができます。ご自身の加入している保険の種類と最新の保険料額表を把握しておくことをお勧めします。


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