「上野博物館」とは?まず知っておきたいこと

「上野博物館」という言葉は、厳密には特定の単一の建物や機関を指しているわけではありません。
東京都台東区にある広大な「上野恩賜公園」内には、日本を代表する国立博物館や美術館、動物園などが集まっており、一般的に「上野博物館」と呼ぶ場合、これらの文化施設群、中でも特に
東京国立博物館(Tōkyō Kokuritsu Hakubutsukan – 東博)
を指していることが多いです。
その他にも、国立科学博物館、東京都美術館、上野の森美術館、東京藝術大学大学美術館などがあり、それぞれが異なるテーマの展示を行っています。
この記事では、最も一般的に「上野博物館」として認識されている東京国立博物館を中心に、具体的な訪問情報を詳しく解説します。

「上野博物館」(東京国立博物館)はどこにある?

東京国立博物館は、東京都台東区上野公園に位置しています。
上野恩賜公園の敷地の中でも、中心部から北東側にかけての広いエリアを占めています。
敷地内には、日本の本館(法隆寺宝物館、東洋館、平成館、表慶館、黒田記念館など、複数の建物から成り立っています)。

具体的な所在地

東京都台東区上野公園13-9

どうやって行くの?(アクセス情報)

上野公園へのアクセスは非常に便利で、複数の路線と駅から徒歩圏内です。
東京国立博物館への最寄りの駅と、そこからの具体的な道のりは以下の通りです。

  • JR線(上野駅、鶯谷駅):

    最も一般的なのはJR上野駅利用です。
    公園口または不忍口から出て、上野公園内に入ります。
    公園口からは徒歩約10分程度で博物館の正門に到着します。
    鶯谷駅(北口)からもアクセス可能で、徒歩約10分程度です。

  • 東京メトロ(銀座線、日比谷線 – 上野駅):

    東京メトロ上野駅からもアクセス可能です。
    各線の改札を出て、JR上野駅方面に進み、「公園口」方面の出口を目指します。
    こちらもJR上野駅公園口と同様、徒歩約10分程度です。

  • 京成線(京成上野駅):

    京成上野駅も上野公園のすぐ近くにあります。
    「正面口」を出て、上野公園の入り口から坂を上って進みます。
    徒歩約15分程度で博物館に到着します。

どの駅から向かう場合も、上野公園内に入ってからは案内表示が多く設置されているため、迷うことは少ないでしょう。
公園内の豊かな緑や他の施設を眺めながら歩くのも楽しい時間です。

入場料はいくら?(料金体系)

東京国立博物館の入場料は、常設展(総合文化展)と特別展で料金体系が異なります。

常設展(総合文化展)入場料

常設展では、本館、東洋館、表慶館(イベント開催時のみ開館)、平成館(日本の考古、特別展)、法隆寺宝物館、黒田記念館(本館横、入場無料)などの展示を見ることができます。
料金は時期や改定によって変更される可能性がありますので、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
一般的な料金(2023-2024年時点の情報に基づく目安)は以下の通りです。

  • 一般: 1000円~1300円程度
  • 大学生: 500円~800円程度
  • 高校生以下および満18歳未満: 無料
  • 満70歳以上: 無料

料金に関する注意点

  • 障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料となる場合があります。
  • 特定の期間に無料公開日が設けられることもあります(例:国際博物館の日など)。
  • 学校の教育活動での利用など、団体割引や特別割引がある場合もあります。

特別展入場料

特別展は、常設展とは別に開催される企画展示で、国内外の貴重な文化財などが集められます。
特別展を観覧するには、原則として特別展ごとの観覧券が必要で、料金は展示の内容によって大きく異なります。
一般的に、常設展の料金よりも高額になります(例:1500円~2500円程度、またはそれ以上)。
特別展のチケットで常設展も観覧できる場合と、そうでない場合がありますので、チケット購入時にご確認ください。
特別展は大変人気があり、特に週末や会期末は混雑するため、事前にオンラインなどでチケットを購入したり、平日に訪れたりするなどの工夫がおすすめです。

何が見れるの?(展示内容の具体的な紹介)

東京国立博物館は、日本および東洋の文化財を中心とした、約12万件にもおよぶ収蔵品を誇る、日本最大級の博物館です。
常設展では、これらの膨大なコレクションの中から、時期によって展示替えをしながら約3000件~4000件が公開されています。
「何が見れるの?」に対する答えは多岐にわたりますが、主な展示内容を建物ごとに紹介します。

主な展示館と内容

  • 本館(Honkan – 日本ギャラリー):

    日本の美術品や考古遺物を中心に展示しています。
    縄文時代から江戸時代までの絵画、彫刻、工芸品(刀剣、陶磁、漆工、染織など)、書跡、考古遺物などが、時代や分野ごとに展示されています。
    日本の文化の歴史や変遷をたどることができる、最も中心となる展示館です。
    国の宝(国宝や重要文化財)も数多く展示されています(展示替えあり)。

  • 東洋館(Toyokan – アジアギャラリー):

    アジア諸国の美術品や考古遺物を展示しています。
    中国、朝鮮半島、インド、エジプトなど、アジア各地の彫刻、陶磁、絵画、染織、金工品などを見ることができます。
    それぞれの地域の特色ある文化や、日本との交流の歴史を感じられる展示です。

  • 法隆寺宝物館(Horyuji Homotsukan):

    奈良県の法隆寺から皇室に献納され、その後博物館の所管となった宝物を展示しています。
    飛鳥時代の仏像や工芸品など、国宝や重要文化財を含む貴重な文化財が多く収蔵されており、厳かで洗練された空間で鑑賞できます。

  • 平成館(Heiseikan):

    日本の考古展示と特別展の会場として使用されます。
    考古展示室では、旧石器時代から古墳時代までの日本の考古遺物を展示しており、土器や埴輪、銅鐸などを見ることができます。
    広々とした空間は、大規模な特別展の開催に適しています。

  • 表慶館(Hyokeikan):

    明治後期に建てられた洋風建築の美しい建物で、国の重要文化財です。
    現在は常設展の会場としては使用されておらず、特別展の会場やイベントスペースとして利用されることがあります。
    建物自体も見どころの一つです。

これらの他にも、黒田記念館(洋画家・黒田清輝の作品を展示、入場無料)、資料館などがあります。

屋外の見どころ

敷地内には日本庭園があり、春や秋などに期間限定で公開されます。
四季折々の美しい景色を楽しむことができ、散策に最適です。
また、各展示館の建築も見どころが多く、特に本館の「帝冠様式」と呼ばれる特徴的な屋根や、表慶館の壮麗な洋風建築は必見です。

どうやって巡るのがおすすめ?(訪問のヒント)

東京国立博物館は非常に広大で、全ての展示をじっくり見て回るには一日では足りないほどです。
限られた時間で効率よく楽しむためのヒントをいくつか紹介します。

  • 時間の目安を決める:

    最低でも半日(3~4時間)、じっくり見たい場合は1日確保することをおすすめします。
    特定のテーマや時代の展示だけを見たい場合は、その展示館に絞って時間を計画しましょう。

  • 事前に見たいものをチェックする:

    公式サイトで現在の展示内容や、特に見たい作品(国宝・重要文化財の展示予定など)を確認しておくと、効率的に回れます。
    また、館内マップを入口で入手したり、公式サイトのマップを事前に見ておくと便利です。

  • 巡る順序を考える:

    本館から見て日本の美術・歴史を概観する、特定の時代の展示に絞る、興味のある分野(刀剣が好きなら刀剣の展示があるコーナーなど)から巡るなど、自分の興味に合わせて巡る順序を決めましょう。
    アジア美術に興味があるなら東洋館から、仏教美術が好きなら法隆寺宝物館からという選び方もできます。

  • 休憩を挟む:

    館内には休憩用のベンチが多く設置されています。また、レストランやカフェもありますので、適度に休憩を挟みながら無理なく巡りましょう。
    博物館ショップも複数の場所にあり、お土産探しも楽しめます。

  • コインロッカーを利用する:

    入口付近や一部の展示館にコインロッカーが設置されています。
    大きな荷物やコートを預けると、身軽になって快適に鑑賞できます。

  • 音声ガイドを利用する:

    常設展・特別展ともに、有料の音声ガイドの貸し出しがあります。
    作品の解説を聞きながら巡ることで、より理解を深めることができます。
    日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語など複数の言語に対応している場合が多いです。

  • 特別展を観覧する場合:

    特別展は大変混雑することがあります。
    チケット売り場も行列ができることがあるため、可能であればオンラインでの事前購入が推奨されます。
    開館直後や閉館間際、または平日が比較的空いている傾向にあります。

いつ行けるの?(開館時間と休館日)

東京国立博物館の開館時間と休館日は、以下の通りです。

  • 開館時間:

    通常は午前9時30分から午後5時00分までです。
    ただし、金曜日・土曜日や特定の期間は、閉館時間が延長される場合があります(例:午後9時00分まで)。
    最終入館は閉館時間の30分前または60分前までとなっていることが多いです。
    詳細は公式サイトでご確認ください。

  • 休館日:

    原則として毎週月曜日です。
    月曜日が祝日または振替休日の場合は開館し、翌日の火曜日が休館となります。
    年末年始(例年12月28日頃から1月1日頃まで)も休館となります。
    その他、臨時に休館したり、特定の展示館のみ休館したりする場合もありますので、訪問前に公式サイトのカレンダーを確認することが非常に重要です。

東京国立博物館以外にもある「上野博物館」たち

「上野博物館」という言葉で括られる上野公園内の文化施設には、東京国立博物館以外にも魅力的な施設があります。

国立科学博物館(National Museum of Nature and Science)

自然史、科学技術、産業技術に関する総合科学博物館です。
巨大な恐竜の全身骨格標本や、日本の科学技術の発展、自然環境や生物の多様性に関する展示など、子供から大人まで楽しめる体験型の展示も豊富です。
「地球館」と「日本館」に分かれており、一日中いても飽きないほどのボリュームがあります。

東京都美術館(Tokyo Metropolitan Art Museum)

公募展や企画展を中心に開催している美術館です。
国内外の様々なジャンルの美術展が年間を通じて開催されており、訪れる時期によって全く異なる美術作品に出会うことができます。
建物自体も歴史があり、カフェやレストラン、ミュージアムショップも充実しています。

その他の施設

この他にも、上野の森美術館(主に特別展)、東京藝術大学大学美術館(大学のコレクションや特別展)、上野動物園など、様々な施設が上野公園内に集まっています。
それぞれの施設が独立した入場料や開館時間を持っていますので、訪問したい施設が決まったら個別の情報を確認するようにしましょう。

まとめ:「上野博物館」への訪問に向けて

「上野博物館」は、単一の施設ではなく、上野公園に集まる多様な文化施設群を指す総称として使われることが多いです。
中でも東京国立博物館は日本を代表する場所であり、膨大なコレクションと歴史的な建築物、美しい庭園が見どころです。
訪問する際は、目的の施設(特に東京国立博物館なのか、他の博物館なのか)を明確にし、公式サイトで最新の開館情報、料金、特別展の開催状況などを確認することがスムーズな滞在の鍵となります。
アクセスは主要駅から徒歩圏内と便利で、半日~一日をかけてじっくりと文化や歴史、科学、芸術に触れることができるでしょう。


上野博物館

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